身長

成長痛は身長が伸びている証拠ってホント? 年齢によって原因が異なる成長痛のメカニズム

子供の身長がグングンと伸びるのを見るのは、成長を見守り応援している親の立場ならこの上なくウレシイことです。しかしこの成長段階において、子供たちのなかには足に痛みを訴える現象が起きることがあります。この足の痛みを一般的には「成長痛」と呼んでいます。

子供の足

「成長痛」と聞くと、「成長期に身長が伸びるのに伴って、なんらかの理由で足に異変が起き痛む」というイメージが浮かぶかと思いますが、本当に成長痛は「身長が伸びている証拠」なのでしょうか。

そこでここでは、成長痛とは一体どのようなものなのか、成長痛が起こるメカニズムについてまとめました。

「成長痛」という疾患は存在しない!?

まず最初に知っておくべきことがあります。それは、医学的には「成長痛」という明確な疾患は存在しない、ということ。

つまり、「成長痛とはこういう現象によって起こるこういう疾患を指す」という、はっきりとした定義はないのです。しかし一般的に「成長痛」という名称で通されている症状としては、おおまかに2種類があります。

低年齢で起こる成長痛の原因

まず比較的低年齢で起こる足の痛みを指す「成長痛」について、ご説明します。

およそ2~10歳の子供が、夜(多くは夕食後から就寝前まで)になると足を中心とした下半身の痛みを訴えることがあります。下半身のなかでも痛む部位は様々で、日によって痛む部位が変わることもよくあります。

■低年齢の子供が成長痛を感じる主な部位:足首、ふくらはぎ、ひざ周辺、太もも、足の付け根、腰

痛みが続くのは約30分~1時間程度で、痛みが治まると何事もなかったかのように動けるようになります。また足の痛みが起こるのは夜であり、日中はまったく問題なく元気に走り回るため、足の機能自体に異常は認められません。

このような、低年齢での夜間に起こる成長痛の原因のひとつとして、精神的な問題から発症しているのではないかという説が挙げられます。

成長痛の原因は身長の伸びじゃない!?

一般的な解釈では、「成長痛」は「成長期にグングンと体が大きくなり、骨が伸びるスピードが早いために周りの筋肉や腱、靭帯などが無理に引っ張られて痛む」など、「骨(身長)が伸びている証拠」のように思われています。

しかし現在では、医学的にそのような現象(身長が伸びている証拠)はないとされています。

では精神的な問題とはどのようなことを指すのでしょうか。よく挙げられるのが、「弟・妹ができて、親の目がそちらにいくようになった」などの、愛情に対しての精神的ストレスが痛みを生み出しているのではないか、という説です。

これは子供がウソを言っているのではなく、本当に下半身に肉体的な痛みを感じています。しかしその痛みの根本原因は心にあるのです。

そのためもしも成長痛を訴える子供さんが該当する年齢であり、心当たりがあるのなら、話を聞いたり抱きしめてあげるなど、1対1できちんとコミュニケーションを取り、不安やストレスを取り除くようにしてあげましょう。

ただし、低年齢での成長痛の原因についての、もうひとつの説に「筋肉痛」が挙げられます。日中に動きまわって筋肉を酷使したために、夜になると痛むことがあるのです。そのため、子供が下半身の痛みである成長痛を訴えてきた際は、状況を踏まえて観察しましょう。

10代の成長痛は身長の伸びではなく「スポーツのしすぎ」?

では低年齢の成長痛ではなく、およそ11歳以上からおこる下半身・足の痛みである成長痛とは、どのようなメカニズムで起こるのでしょうか。

いくつか原因はあるものの、代表的なものに「オスグッド・シュラッター病」が挙げられます。

「オスグッド・シュラッター病」(もしくは「オスグッド病」)とは、スポーツなど激し運動をよくする10代の子供の足に発症する、成長痛のひとつです。膝のお皿の下部分に痛みが走ります。

オスグッド・シュラッター病

これは簡単に言うと、骨が剥離しかかっている状態――10代の骨はまだ成長期のため、大人とは異なり柔らかな軟骨が多く存在します。そして骨には筋肉が付着しています。そこに運動で長期的に過度な力が掛かると、激しい筋肉の収縮によって、筋肉についている骨が剥がれたり隆起したりしてしまうのです。

「オスグッド・シュラッター病」を起こしやすい動きは「ジャンプ」や「ダッシュ」などです。そのためバスケットボール、バレーボール、サッカーなどの球技から、陸上競技まで、幅広いスポーツに渡って発症リスクの可能性が高いと言えます。

「オスグッド・シュラッター病」になった場合、特別な治療方法はなく、筋肉を過剰に動かさないように安静にするしかありません。自然と骨の剥離や炎症が治るまで、ひたすら待つ必要があるのです。

この安静期間はおよそ10日間。その間にしっかりと治して長くスポーツが楽しめるようにするほうが、無理をして手術をしなくてはいけないほどに悪化させるよりも重要だと考えましょう。

成長痛の原因は生活環境にある!

意外にも「身長が伸びている証拠」ではなかった成長痛――子供の年齢や生活環境によって足の痛みの原因は変わるため、親御さんが注意して子供の動向を見守ることが大切です。

笑顔の子供

ただし低年齢の子供さんが毎日「特定の部位」をひどく痛がる場合は、ストレスや筋肉痛の成長痛ではなく、なにかしらの疾患の可能性もあります。あまりに痛がる頻度が高い場合は小児科を受診されることをオススメします。

この記事の執筆者

朝井 裕子

小学生から中学生の3人の子供(息子2人、娘1人)を育てている専業主婦。
以前は看護師だったこともあり、子供の成長に関するあらゆる分野に興味津々。
子供の成長・学習・学校に関する情報やノウハウを伝えていきます!

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