身長

成長ホルモン注射で身長が伸びる!?成長ホルモン分泌不全症に施される成長ホルモン注射とは

同年代の成長期の子供たちと比べて際立って身長が低いと、親(子供本人も)はなんらかの身体的原因がある低身長症ではないかと、心配になってしまいますよね。

少女2人

低身長症と診断された場合、よく聞く治療法としては「成長ホルモン注射」があります。成長ホルモンとは「骨を成長させることで身長を伸ばす」機能があるホルモンの1種であり、脳の下垂体という部分から(成長期がピークだが、成人後も)分泌されています。

しかし成長ホルモンが正常に分泌されていなく、骨の成長が著しく遅い「成長ホルモン分泌不全性低身長症」と診断されると、先ほどの成長ホルモン注射治療が行われるケースがあるのです。

ではこの成長ホルモン注射とは実際にどのようなものなのか、注射の方法や副作用などについてご説明します。

低身長症なのかの判断基準は?

子供がずっと同年齢の平均身長よりも低いのは、低身長症だからかもしれない――このような不安や疑問を抱いて、病院に行かれる、もしくは行くのを迷っておられる親御さんがいらっしゃるかもしれません。

実は、単に身長が低いだけでは「低身長症」という病気だとは言えません。低身長症であるかどうかの基準としては、「SDスコア」(SD=標準偏差)という数値を使って判断します。

簡単にご説明すると、SDとは「平均値よりもどのくらい離れているか」という距離(もしくは幅)を表します。そしてこのスコアがすぐに分かる「標準成長曲線グラフシート」に子供の身長を当てはめ、もしもそこで示されるSD値が「-2SD」以下であれば、低身長症の疑いがあると言われるのです。

※標準内の身長が「+2SD~-2SD」のため。

治療が必要なのは2%程度

もしも-2SD以下であったとしても、すぐに「低身長症」であり、成長ホルモン注射をはじめとしたなんらかの治療をしなくてはいけない、ということではありません。

4人の子どもたち

というのも、-2SD以下の低身長の子供すべてに疾患があるのではないからです。なんと90%以上が特別に疾患があるわけではなく、つまりは病気ではないため治療を必要としません(言い方をかえれば、医学的な治療法はありません)。

現在のところ、治療が必要な低身長症の子供は同年齢のなかで「2%程度」なのです。

ではもしもその2%に該当するのではないか、という懸念がある場合は、どのような検査をすればよいのでしょうか。医療機関では、成長ホルモンがきちんと分泌されているかどうかを調べるために、「IGF-1」の量を量ります。

IGF-1とは別名を「ソマトメジンC」とも呼ぶホルモンの一種です。成長ホルモンは肝臓でIGF-1に変換されます。その後そのIGF-1が、骨の成長部分である骨端線の軟骨を増殖させ、骨を長くします。この骨の成長こそが、身長が伸びることにつながるのです。

そのため、正常に成長ホルモンが分泌されているかどうかを調べるために、このIGF-1の量を量る必要があるのです。

※「成長ホルモン分泌不全症」以外にも、染色体異常による低身長症である「ターナー症候群」「プラダー・ウィリー症候群」、「SGA性低身長症」などがあるため、様々な検査方法が存在します。

アルギニン負荷試験

成長ホルモンの分泌量に問題がある可能性が出た場合、さらに「アルギニン負荷試験」などを行います。アルギニン負荷試験とは、アルギニンを一定期間投与して、成長ホルモンが分泌しやすくする検査です。

もしもこの検査を行っても成長ホルモンの分泌量が少ない場合は、成長ホルモン分泌不全による低身長症と診断されるのです。そこで初めて、成長ホルモン注射の治療が行われます。

つまり、もしもこの時点で成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断されなければ、成長ホルモン注射の治療は受けられません。

成長ホルモン注射とは

では「成長ホルモン分泌不全性低身長症」と診断されてから行われる、成長ホルモン注射とはどのようなものなのでしょうか。

最近では「在宅注射」が多くなっています。在宅注射とは名前通り、病院ではなく自宅で、親御さんやお子さん自身が成長ホルモンの注射を行うことです。

注射を自分でする、と聞くととてもハードルが高いように感じ、躊躇してしまうかもしれません。しかし成長ホルモン注射は、一般的な「注射」のイメージとは異なり、ペンのような形をしており、最初に病院で指導してもらうだけで一般の方(ある程度の年齢のお子さんも含め)でもすぐに使いこなせるようになります。

また針も数ミリ程度であり、おしりや太ももといった脂肪の多い場所に軽く刺すだけです。そのためほとんど痛みもなく、親御さんにしてもらうお子さんの場合は、注射をし終わったことに気づかないこともあるぐらいです。

成長ホルモン注射の頻度と効果、副作用

なぜ成長ホルモン注射は保護者・本人が打たないといけないかといえば、成長ホルモンを「毎日」注入する必要があるからです。

というのも、本来成長ホルモンは脳下垂体から毎日分泌されているホルモンです。そのため1日分の分泌量を補完するために、一度にではなく、「毎日」「継続的に」「決められた量を」注射しなくてはいけないのです。

効果としては、身長の伸びが「1.5~2倍」になると言われています。ただし男子で17歳、女子で15歳になると、骨端線自体が閉じてしまうため、成長ホルモン注射の治療は終了となります。

医師と子供

気になる副作用ですが、基本的には成長ホルモンは元々体内で分泌されるホルモンのため、ありません。しかしやはり個々人によりなんらかの症状が出る場合もあるため、定期的に検診をする必要はあります。

成長ホルモン注射は、成長ホルモン分泌不全性低身長症の場合、非常に効果があると言えます。そのため、もしも成長速度に心配な点があるのなら、まずは専門の医療機関にて検査されることをオススメします。

この記事の執筆者

朝井 裕子

小学生から中学生の3人の子供(息子2人、娘1人)を育てている専業主婦。
以前は看護師だったこともあり、子供の成長に関するあらゆる分野に興味津々。
子供の成長・学習・学校に関する情報やノウハウを伝えていきます!

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