身長

子供の低身長の原因は「愛情遮断症候群」かもしれない!?愛情不足によるストレスと低身長の関係とは

「親はなくとも子は育つ」という言葉がありますが、「どのように」育つかを重視した場合、(先天的な病気などを除くと)環境が大きく左右することは想像に難くないのではないでしょうか。

幸せそうな家族

意外かもしれませんが、実は「低身長」の問題においても、子供が育つ環境が少なからず影響を及ぼしているという医学的見解が存在します。ではどのような事が問題となり、育ち盛りの子供たちを低身長にしているのでしょうか。

※「低身長」とは、年齢別平均身長より20%以上低い場合を指します。またSD(標準偏差)スコアが−2SDより低い身長の人は(同年齢中)全体の約2.3%になり、この値に当てはまる場合を「低身長」と呼んでいます。

SDスコア=(身長の実測値)-(年齢別標準身長)/  SD(標準偏差)

近年増え続ける「愛情遮断症候群」

近年、子供の患者数が増えている疾患に「愛情遮断症候群」というものが挙げられます。

「愛情遮断症候群」とは、子供が保護者・養育者(主に母親)からの愛情を十分に感じられない状況下で育っている場合、強いストレスを感じ、精神的・身体的な発達が阻害されてしまう病気を指します。

※母親、父親が不在のケースでも、第三者の養育者が愛情を注げば、「愛情遮断症候群」を回避することは可能です。

【「愛情遮断症候群」主な原因】

1.(死別、別居などによる)(母)親不在の環境
2.(母)親の不安定な精神状態
3.両親の不仲
4.家庭内暴力

「愛情遮断症候群」の症状

愛情遮断症候群の症状は乳幼児から6歳児程度の子供に現れます。一般的には以下のような症状が見られます。

1.表情、感情表現が乏しい
2.(1とは逆に)激しいかんしゃくを起こす
3.動作が緩慢
4.人と目を合わせない
5.親と身体的接触を嫌がる
6.精神発達の遅れ
7.睡眠障害

孤独な少女

虐待を受けている場合は、十分な世話をされていないために栄養状態が悪く、「低身長」「極度の痩せ体格」であり、外見的にも「おむつかぶれがひどい」「肌や服が汚れている」などの保護者によるケア不足が見受けられます。

睡眠障害と低身長

いわゆるネグレクト(育児放棄)により食事を与えられず、栄養失調により成長しない(できない)低身長の子供は存在します。しかしこのような身体的な栄養不足ではなくとも、愛情遮断症候群により低身長は起こります。

というのも、親とのコミュニケーションが欠けているなど、常に強いストレスや不安を感じている子供はぐっすり眠ることができず「睡眠障害」に陥るため、睡眠時に「成長ホルモン」が十分に分泌されないからです。

成長ホルモンは身体の成長を促進させるために重要な、脳下垂体から分泌される物質です。成長期の子供のみが持つ、骨と骨の間にある「骨端軟骨」の増殖を促すことで、身長を伸ばす働きも担っています。

本来なら睡眠時にこの成長ホルモンが十分に分泌され、成長期の子供の身長はぐんぐんと伸びます。しかし愛情遮断症候群の子供の場合、ぐっすりと熟睡することができないために成長ホルモンの分泌が著しく低下します(数値として明確に現れる)。

そのため、結果的に軟骨が増えずに骨が伸びないため、低身長となってしまうのです。

愛情遮断症候群と低身長

愛情遮断症候群が疑われる低身長の子供は、保護観察施設や病院に一定期間ひきとられると、その間だけ顕著に身長が伸び、再び(ストレス改善されていない)自宅に戻ると身長の伸びが止まってしまう、という現象が起こります。

親の愛情不足による子供へのストレスは、精神的な発達を阻害するだけでなく、身体的な発育にまで深く影響を及ぼすことは明白になっているのです。

もしも「愛情遮断症候群」だと診断された場合は、子供のストレスケアだけでなく、根本的な問題である(母)親へのカウンセリングなど、対処法が施されます。

しかしながら子供に愛情が持てない親は、自分自身も親から愛情を注がれていない、愛情をもらった経験がないことが多く、このような「愛情不足の連鎖」はカウンセリングだけでは断ち切るのが難しいのが現状です。

しかし親だけでなく、第三者が愛情を示し保護することで、愛情遮断症候群の症状が改善されることはあります。身近な大人(=社会)が子供の異変に気づくことも、未来を担う子供の成長を促進させるためには必要なのかもしれません。

子供に手を差し伸べる母親

当然ながら、低身長に悩むお子さんが全て「愛情遮断症候群」である訳では全くありません。先天的な成長ホルモン分泌不全などのホルモン疾患や骨・内臓の異常など、低身長の原因は様々です。そのため、「身長の伸びが遅い」=「親の愛情不足」と結びつけるのは早計だと言えます。

しかし子供の低身長の原因のひとつに「愛情遮断症候群」という精神的な病気が存在する、という事実を知ることは、親子関係を見直すキッカケのひとつにはなるのではないでしょうか。

もしもお子さんの成長速度に不安があるのなら、「愛情遮断症候群」以外の身体的な病気の可能性もあるため、一度専門医にご相談されることをオススメします。

この記事の執筆者

朝井 裕子

小学生から中学生の3人の子供(息子2人、娘1人)を育てている専業主婦。
以前は看護師だったこともあり、子供の成長に関するあらゆる分野に興味津々。
子供の成長・学習・学校に関する情報やノウハウを伝えていきます!

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