身長

太っていると身長が伸びない?!横幅があると縦に伸びない理由とは

「子供は元気が一番!」という親心から、たくさん食べ過ぎさせてしまったのか、なんだか子供が「横に」一回りも二回りも大きくなって……、なんてお悩み、ありませんか?

クリームたっぷりのケーキと子供

もしも「身長を伸ばす」ために栄養を摂ろうとして太ってしまったのなら、それは逆に「身長が伸びない」要因に! ではなぜ太ると「身長が伸びない」ようになってしまうのか、お教えします。

成長ホルモン量に悪影響

身長の伸びには、「成長ホルモン」という、脳の下垂体で分泌されるホルモンのひとつが重要な役割を果たします。

この成長ホルモンが、成長期の子供の骨にのみ存在する「骨端線」にある軟骨(骨端軟骨)を増殖させることで「骨が長くなる=身長が伸びる」ことになるのです。

しかし成長期に過剰に太ってしまうと、実はこの成長ホルモンはあまり分泌されなくなってしまいます。

というのも、成長ホルモンの役割のひとつには「代謝によって体内物質をエネルギーに変える」というものがあり、この「代謝」とは肥満の原因「脂肪」を分解する作業を指しているのです。

肥満体型の場合、平均的な体型よりも脂肪が多い分、睡眠中などに分泌されている成長ホルモンの多くは脂肪分解作業に回されてしまいます。そのため軟骨の増殖に回される成長ホルモン量は減少し、必然的に骨(=身長)が伸びにくくなります。

すると、「横幅は大人並に大きいけれども、縦幅(つまり身長)はあまり伸びていない」という残念な結果に。

身体が横に大きいから身長も一緒に伸びる、と油断してはいけないのです。

思春期が早く始まる

「思春期(第二次性徴が始まって終わるまでの時期)」の始まりは、男子で約11歳前後、女子で約10歳前後と言われています。

実は、思春期に入ってからの身長の伸びはほぼ決まっており、男子で約25cm、女子で約22cm。つまり最終身長は「思春期前までの身長+思春期に伸びる身長(男子25cm、女子22cm)」。

そのため必然的に、思春期の始まりが遅ければ遅いほどたくさん成長するため、最終的な身長は高くなる、というわけです。

しかしこの思春期の始まりは、「太っていると早くなる」傾向があります。その原因は先述したように、やはり「(横に)大きく成長したから、もう大人の身体になった」という身体の勘違いにより、成長ホルモンの分泌量が減ってしまうからです。

体重計に乗る足

太っている(肥満体型)のは、横幅が大きいだけであり、決して大人の身体として成長しきったワケではありません。ですが思春期前の、本来ならまだまだ身長が伸びる余力があるはずの時期に、身体の方では「もうずいぶん大人の身体に近づいたから、成長の最終段階に入ろう」と判断してしまいます。

このようにして、周りの同年代の子供たちよりも早く思春期に突入してしまう結果、太っている子供は最終身長が期待していたよりも伸びないことになるのです。

子供の肥満度を調べる計算方法

ではここで、子供の肥満度を調べるための計算方法をご紹介します。

■ローレル指数の計算方法

体重÷身長×身長×身長10の7乗

この計算式に当てはめた結果が、以下のどれに当てはまるかをチェックします。

・100未満・・・やせ
・100~115未満・・・やせぎみ
・115~145未満・・・正常
・145~160未満・・・肥満気味
・160以上・・・肥満

■日比式肥満度の計算式
肥満度(%)={実測体重(kg)-標準体重(kg)}÷標準体重(kg)×100

この計算式で出てきた結果が、以下のどれに当てはまるかをチェックします。

・20~30%未満・・・軽肥満
・30~50%未満・・・中肥満
・50%以上・・・高肥満

インターネット上では身長・体重を当てはめれば自動計算してくれるサイトもあるため、気になるようであれば一度お試しになってはいかがでしょうか。

太っているのは両親からの遺伝のせい?

ではそもそも、子供が太り気味もしくは不満体型なのは両親などからの遺伝的要因はあるのでしょうか。この答えには、人類の「食糧難(飢餓との戦い)」という長い歴史が関係しています。

日本をはじめ先進国においては現在、食料が飽和状態となっている「飽食の時代」のため、「食糧難」という言葉が遠いものとなっています。しかしこのような「毎日毎食満足に食事ができるのが当たり前」の状態は、ほんの数十年程度のことなのです。

バナナを食べる子供たち

人類の長い飢餓の時代において、人類の身体は少量の食料でエネルギーを維持するために「脂肪・糖質を溜め込みやすくし、溜め込んだ脂肪・糖質をゆっくりと消費していく」仕組みが出来上がりました。

このような仕組みから生み出された遺伝子に、「β3アドレナリン受容体遺伝子(β3AR)」「アンカップリングプロテイン遺伝子(UCP-1)」が挙げられます。たとえばβ3ARは、脂肪を取り出して燃焼させ熱エネルギーを産出させる働きがあります。

しかしなかには、これらの遺伝子に変異が生じ、通常よりも基礎代謝が低くなる遺伝子タイプになっている方がいるのです。

それら、変異した「肥満遺伝子」の特徴を簡単に説明すると、

1.β3ARの肥満タイプ・・・日本人の34%が保有。基礎代謝が通常よりも200kcal/日低い。糖質の代謝が悪い。
2.UCP-1の肥満タイプ・・・日本人の25%が保有。基礎代謝が通常よりも100kcal/日低い。脂肪の代謝が悪い。

となり、これらの遺伝子を保有していると、保有していない人と同じ食事をしていたとしても、体質的に糖質や脂肪の代謝が悪いために肥満になりやすいと言えるのです。

残念ながら上記の「肥満遺伝子」を持っているか否かは、やはり遺伝が原因と言わざるを得ません。しかし肥満遺伝子があるからといって、全員が肥満になる訳ではないのです。

実際に「肥満は遺伝3割、生活習慣7割」と言われており、遺伝よりも日々の生活習慣が体型を左右するとされています。

さらに子供の場合は大人よりも基本的に代謝がよく、本来痩せやすいため、もしも子供が現在肥満傾向にあり、身長の伸び悩みがあるのであれば、食生活と運動量のバランスを見直す必要があります。

※一緒に生活する大人の生活習慣も、子供の生活に多大なる影響を与えています。そのため子供だけに改善を促すのではなく、大人の生活習慣もまた見なおしてみましょう。

健康的な生活を

成長期に断食などの過剰なダイエットをして、身体の基礎づくりを疎かにすることは、将来的にも危険な行為のためお止めください。

しかし上述した計算式に当てはめる以前に、目安として(身長と比較して)平均体重よりも5kg以上オーバーしている場合は、適切な運動や食事内容の見直しにより、体形改善をはかることが大切です。

バランスの良い食材ピラミッド

子供の新陳代謝は大人の2、3倍は活発と言われています。そのため大人は「減量、ダイエット」という言葉に大変さを感じますが、子供は大人よりも減量することが容易です。

「余分なお菓子やジュースを減らす」「過剰なご飯の量は少しずつ減らす」など、健康的な範囲で食事の見直しをして、ストレッチやウォーキングなど、いきなり膝や心臓に負担のかからない「適切な運動」をすれば、今は肥満児であっても(大人と比較して)すぐに減量することができるはずです。

せっかく大きくなれる成長期に、カロリーオーバーな間食や食事のせいで太り、身長が伸びないなんてもったいない! 将来の高身長のためにも、将来の身体の健康のためにも、適切な標準体重を目指し、身長もめいっぱいグングンと伸ばしていきましょう。

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