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骨が弱る「くる病」にかかる子供が増えている!?くる病発症の原因を知って予防をしよう!

「くる病」という疾患名をお聞きになったことはあるでしょうか。くる病とは(大人の場合は)別名を「骨軟化症」と言い、この別名通り「骨が軟らかくなってしまい、曲がったり、骨折しやすくなったり」する疾患のことです。

くる病は第二次世界大戦後間もない、食料難・栄養不足の時代には子供に多く起こっていましたが、その後は社会全体の食料不足が改善されることで、あまり見られないようになっていました。しかしこの数年で乳幼児のくる病患者が増加傾向となり、大きな問題としてメディアでも度々取り上げられています。

赤ちゃんの足

ではなぜ現在のような食料事情の良い社会環境において、栄養不足で起こる「くる病」の患者が増えているのでしょうか。以下にくる病問題の原因と対策をまとめました。

現代病といわれる子供のくる病

くる病とは発育期・成長期の子供の骨に、骨密度を高めて骨を丈夫にするカルシウムが付着しないために、骨が弱く軟らかくなってしまい引き起こされる病気です。

くる病の子供は極端なX脚やO脚となり、歩行が困難になります。また足のみならず、肋骨にこぶ(肋骨念珠)が出来たり、骨が伸びないために低身長のままで成長しないなどの症状が現れます。

さらには骨の組織が弱っているために骨折しやすく、骨粗しょう症にもなりやすくなってしまいます。

その他、「筋力低下」「痙攣」などの症状が出ることもあり、日常生活に支障をきたすほどのレベルに達する懸念があります。

※大人に発症する骨の軟化異常は「骨軟化症」と呼びます。

くる病の主な原因

ではくる病になる原因は何なのでしょうか。くる病の種類には大きく分けて以下の3種類があります。

【くる病の種類】
1.ビタミンD欠乏性くる病
2.ビタミンD依存性くる病(遺伝性)
3.原発性低リン血症性くる病(遺伝性と非遺伝性があり)

これらの内、ここ数年で急増していると問題になっているくる病は(先天性の疾患ではなく)「1.ビタミンD欠乏性くる病」を指します。

「ビタミンD欠乏性くる病」という名称から推測できるように、くる病の原因は「ビタミンDの欠乏(不足)」によるものです。

ビタミンDは、骨の材料であるカルシウムを骨の「骨格」とも言えるコラーゲンに沈着させる役目があるため、ビタミンDが不足すると必然的にカルシウムが骨を形成できなくなってしまうのです。

※なお、くる病の原因はビタミンDのみではなく、カルシウム、リンといった「骨の構成成分」自体が不足しているケースもあります。

完全母乳育児の落とし穴

ではなぜ近年になり、子供のくる病が増えているでしょうか。その原因のひとつに、「母乳での子育て」が指摘されています。

眠る赤ちゃん

ここ数年、母乳で赤ちゃんを育てることが推奨されています。

その理由として、母乳には赤ちゃんの成長・免疫力アップに良い様々な栄養素が含まれており、また母乳を与えることは「赤ちゃんと母親のコミュニケーションの強化手段」ともなり、さらには母乳を与えることで母親の体内ではエストロゲンの分泌が抑制され、将来の「乳がん」や「卵巣がん」「子宮体がん」リスクを下げることができる、ということが挙げられます。

しかし意外にも母乳のビタミンD含有量は少なく、そのため子供のために良かれと思って完全母乳の育児に励むことで、赤ちゃんがビタミンD不足になってしまうのです。

日光浴がビタミンD量を左右する?

さらに赤ちゃんのビタミンD不足に拍車をかけているのが、「日光浴を危険視する」風潮です。

近年、紫外線は肌細胞にダメージを与え、シミ・シワ、ひどい場合には皮膚がんを引き起こすと声高に言われ、子供にとっても紫外線は危険視されています。

しかしビタミンDは日光、つまり紫外線を浴びることにより体内で生成されるため、過剰なほどに日光を避けると体内のビタミンD量は不足してしまうのです。

事実、乳幼児のおよそ3人に1人は血中のビタミンD含有量は推奨レベルに達していないという報告があり、くる病はまさに「現代病」と言えるのです。

補足:現在、母子健康手帳から「日光浴」の文字はない

子育ての指針をしめす母子健康手帳――1998年に、この母子健康手帳から「日光浴」を推奨する文言が削除されました。

その理由は、「オーストラリアにおいて紫外線を長年浴び続けると、皮膚がんの発生率が高くなる」という調査報告を受け、乳幼児の日光浴の是非が議論となったためです。

そのため1998年から現在に至るまで、母子健康手帳では「日光浴」という言葉はなく、「外気浴」という言葉のみが記述されています。

しかしくる病が増えている現在においては、(常識の範囲内での)子供の日光浴の必要性は再考するべき問題だと言えます。

くる病を防ぐための食事対策

では骨が弱ってしまうくる病を予防するためには、どのようにすればよいのでしょうか。

先述したように、くる病は「ビタミンD不足」が引き起こす疾患です。そのためビタミンDを補給する必要があります。

まず母乳で育児をしている段階では、母乳を作る母親がビタミンDを意識的に摂取することが大切です。母乳を通して赤ちゃんにビタミンDを与えるつもりで、お母さんが口にする食材に気を付けましょう。

次に離乳食を食べる段階になれば、赤ちゃんの食事にビタミンD含有量の多い食材を入れてあげましょう。ただしアレルギーの問題もあるため、赤ちゃんの体調に合わせて食材は選んで下さい。

【ビタミンD含有量が多い食材例】
・しらす、さけ、さんまなどの魚類(カルシウムも摂取可能)
・シメジなどのきのこ類
・卵(アレルギーに注意)

くる病にならないように適度な日光浴も

紫外線の弊害ばかりが大きく取り上げられる現代ですが、適度に日光浴を行うこともビタミンD生成には必要です。

歩く乳幼児

大切な子供が骨の異常であるくる病にならないように、生活習慣を今一度見なおしてみましょう。なお、くる病(骨軟化症)は大人にも発症する疾患です。子供のみならず大人の方も、もしも骨に気になる症状があるのなら、血液検査やX線検査にてチェックすることをオススメします。

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