運動

スポーツ選手がなりやすいスポーツ心臓症候群って何?スポーツ心臓ってどんな特徴があるの?

ご本人をはじめ、子供さんやご家族の方がスポーツを熱心にされている場合、「スポーツ心臓」(もしくは「アスリート心臓」)という言葉をお聞きになったことがあるかと思います。

スポーツ選手

このスポーツ心臓という独特の心臓の特徴がある場合、「スポーツ心臓症候群」であると診断されます。スポーツ心臓症候群をご存じでない方や詳しくは知らないという方は、なんとなく「スポーツ選手の心臓は普通の人よりも強いってこと?」など、疑問を感じるかと思います。

そのためここでは、スポーツ心臓症候群とはどのようなものなのか、ご説明します。

スポーツ心臓の種類

「スポーツ心臓」と聞くと、ある程度のレベルのスポーツ選手なら、競技にかかわらず持ちあわせている特徴のように思いがちですが、そうではありません。

まずスポーツ心臓には、大きく分けて以下の2種類があります。

1.拡張型・・・心臓自体が大きくなっている。
2.肥大型・・・心臓のカベが厚くなっている。
※両方が合わさったタイプのスポーツ心臓もある。

1の拡張型は、主にマラソン・長距離走、水泳、ボクシングなど、持久力をつけることに重点を置くスポーツ(これを「動的運動」と言う)の選手に多く見られるスポーツ心臓タイプ。
※心臓の収縮により送り出す血量(血中に含まれる酸素量)1回分を多くするため。

2の肥大型は、主にウエイトリフティング、パワーリフティング、レスリングなどの筋力トレーニングに重点を置くスポーツ(これを「静的運動」と言う)の選手に多く見られる心臓タイプです。
※筋肉を急激に収縮させる動作が多いため、心臓に圧力がかかるため。

当然ながら動的、静的両方のトレーニングを行う選手もいるため、両方の心臓の特徴を持っているケースも少なくありません。

これらの心臓の変化は、環境に適応しようとする身体の構造的・機能的変化の表れであり、一日1時間以上の特定のスポーツ・トレーニングを毎日継続的に行っていることにより、引き起こされやすくなっています。

ちなみに長期的・継続的なトレーニングにより心臓が拡張・肥大することは、19世紀には分かっていました。

スポーツ心臓の症状

スポーツ心臓症候群の主な症状ですが、実は特に症状というものはなく(無症候性)、日常生活内で支障が起きるワケではありません。

しかし心電図を取ると異常が出るため、スポーツ心臓症候群であることが分かります。もっとも顕著に見られる特徴としては、心拍数(脈拍)が低くなっている(=「徐脈」)現象です。

心拍数を測る手元

体内の血液は「体循環」という、身体のすみずみまで巡る循環システムに則って流れています。そして心臓は血液を送り出す、いわゆるポンプのような役割を担っています。

心臓は血液を大動脈に送り、その後収縮します。その際に血液は肺を通じて酸素を取り込み、心臓へと大静脈を通って流れ込みます。その時、心臓は拡張します。これが心拍です。

日常的に運動トレーニングを行い鍛えているスポーツ選手は、心臓の筋肉が通常よりも発達しています。そのため1回の(心)拍動で多くの血液を全身に送り出すことができるようになっているのです。実際に持久力を要するスポーツをしている選手の血流量を計ると、圧倒的に多い事が判明しています。

したがって拍動数が少なくても全身に血中の酸素を届けることができるため、スポーツ心臓の方は一般の方よりも心拍数が少なくなっているのです。

そのほかにもスポーツ心臓症候群には、心音に雑音が混ざったり、不整脈(原因はいくつかあるが、たとえば「心室性期外収縮」という、突発的な心臓の収縮が起こる)であったりといった特徴が挙げられます。

■心拍数の目安(安静時1分間)
・一般的な心臓・・・約60回
・スポーツ心臓・・・約40~50回

スポーツ心臓ではない「徐脈性不整脈」とは

スポーツ心臓でない方(日常的に運動をしていない方)が、心拍数50以下の場合は「徐脈性不整脈」の懸念があります。

徐脈性不整脈には以下の種類があります。

・規則的に遅い脈となる・・・洞性徐脈
・一時的に、洞結節(心臓の一器官)から電気信号が発生しない(=心拍が打たない)・・・洞停止
・洞結節で電気信号が発生しているのに、心房に伝わらない・・・洞房ブロック
・洞結節からの電気信号が心房までは伝わるが、心室まで伝わらない・・・房室ブロック

「洞性徐脈」の場合、ほとんどは特に治療する必要はありません。しかし「洞停止」「洞房ブロック」の場合は突然死の可能性もあるため、ペースメーカーが必要になるケースがあります。

「房室ブロック」も場合により、突然死の可能性があるため、ペースメーカーが必要になるケースがあります。

※以上のほかにも、スポーツ心臓ではない不整脈の懸念がある場合は、すみやかに専門医による適切な診断を仰ぎましょう。

若年層でもある「心筋症」

スポーツをしている若年層のなかにも、スポーツ心臓ではない「肥大型心筋症」という疾患を持っているケースがあります。不整脈があってもスポーツ心臓症候群と思い込み、処置をしていないと、スポーツ中に突然死する可能性も高く、見過ごすことはできません。

心電図

もしも原因不明のめまい、動悸、息切れ、失神などが起こったり、身内のなかに心筋症の方がいる場合などは、「自分は若いから」「スポーツを長年しているから」と自己判断せず、病院でスポーツ心臓なのか疾患なのか、見てもらいましょう。

「ベテランママ」の運動新着記事

新着記事をもっと見る