運動

スポーツをする子供はなんで坊主頭にしていた、またはしているの?野球部と丸刈りの関係って?

スポーツをするのも鑑賞するのも好きな大人たちのなかには、高校野球を見るのが好き、という方は多いかと思います。そのような親御さんはご自分の子供を小学生の時から少年野球チームに、または中学生になったら野球部に入部してほしいと願うのは当然ですよね。

バットを振る野球少年

しかし野球が好きなはずの子供が、野球部に入部したがらないカベがあるのです――それは「坊主頭」。野球に限らず、柔道や空手、剣道などの武術・武道においても坊主頭にすることを(強制とまでは言わなくとも)指導する部活やスポーツクラブ、団体が昔も今も存在します。

そこでどうしてスポーツの種類によっては「坊主頭(丸刈り)」にしなくていけない、もしくは坊主頭人口が多いのか、まとめました。

野球児の坊主頭は日本だけ!?

日本では未だに、高校野球大会での坊主頭の高校生たちを見ると「爽やか、ひたむき、真摯」のような、真面目に目の前の物事に取り組んでいる象徴のように受け取る人がいるかもしれません。

しかしそもそもスポーツやスポーツマンに坊主頭や丸刈りを連想するのは、日本だけ。海外、特に欧米では好成績を残していれば、外見を問題視することはほぼありません。その代わりに、どれだけ真面目に練習していても、成績が伴わなければ評価対象にはならない、というシビアな面があります。

髪型も自己決定権で守られている

なぜ日本の野球少年たちには、坊主頭イメージが根強く現在でも残っているのでしょうか。

意外にも、高校野球連盟(高野連)は、「坊主頭にしないと出場できない」というような、坊主頭を強制する規則は作っていません。あくまで「高校生らしい髪型」というように、漠然とした言い回しをしています。

ただし、この「坊主頭にする規則」を部活動単位では義務付けている高野連加盟校が、約8割もあるとのこと。全校ではないものの、やはり「高校野球児は坊主頭」というのは根強くスタンダードであると言えます。

野球児たちの後ろ姿

しかしこのような「髪型に関する規則」は、実は安易に強制できないのです。というのも、髪型とは個人の問題であり、憲法が定める「自己決定権」(個人の生き方など、自己の物事は公権力から干渉されずに決定できる権利)が憲法13条の幸福追求権のなかに含まれているからです。

つまり「髪型や服装の自由」もまた、自己決定できる権利としてあるのです。

そのため、校則(もしくは部活動単位の規則)で坊主頭を「強制、義務付け」するのは、厳密には憲法違反なのです。

坊主頭と軍隊式の規律

ではなぜ野球部をはじめとしたスポーツで、坊主頭を指導するケースがまだ見られるのでしょうか。まず指摘されるのは、先述したように「精神性が外見に表れる」と捉えるケースが少なくない、という理由です。

現代日本人のなかにも、「坊主頭=外見にばかり気が行っていない、真面目」というイメージは残っています。この、日本人が坊主頭に抱く良いイメージについては、1873年(明治6年)に発布された徴兵令により、軍人の方が「衛生上の問題(訓練場や戦地では頻繁に入浴できない)」で坊主頭にしたことが一般的にも普及し、「衛生面」と「軍隊的規律」の両面の良さが「坊主頭(丸刈り)」のインパクトとともに定着したのではないか、という説があります。

これがその後の第二次世界大戦時にまで引き継がれ、終戦後も「服装・頭髪の乱れは精神の乱れを生み、非行に走る」というような考え方によって、校則として「坊主頭」を(スポーツ部以外の男子生徒に対しても)指導する中高校が存在するのではないか、と言われています。

野球はチームプレイが重要視されるスポーツであり、試合中に監督の指示に従うべき場面が多いとも言えます。そこで集団生活に必要な規律を守り監督に従うように教育するために、野球児には軍隊のような坊主頭が長く強制されるようになったのです。

坊主頭の実用性

野球以外に坊主頭にしているスポーツ選手のなかには、技術的なメリットを優先させるために自ら坊主頭にしているケースもあります。

たとえば武術や格闘技系スポーツの場合なら、髪がある程度長いと、相手に髪を掴まれたり、(故意ではなくとも)相手や自分自身の防具やユニフォームに引っかかったりする場合があります。また前髪が長いと、髪が目に入ったり視界が遮られたりした一瞬のスキをつかれ、試合に負けてしまうということもあるのです。

そのため、強制されてはいないものの、坊主頭や丸刈り、スポーツ刈りを自らの意思で選ぶスポーツマンは多いようです。

また日常的に運動をする生活をしていれば、やはり衛生面や手入れのしやすさで坊主頭にする、という考え方もあります。キャップや防具を頭部につけるスポーツの場合なら、髪が長いと汗がムレる心配があり、また洗髪後に乾かす手間があるなど、理由は様々のようです。が、先述したように「精神性」をアピールするためというよりは、実用的なメリットを優先させているのです。

何事も自らの意思で前向きに!

最近では、坊主頭にしなくても良い野球部も増えてきており、以前と比べれば強制力は弱まっているようです。

しかしまだまだ学校もしくは指導者・監督によっては、坊主頭が義務づけられている野球部その他のスポーツ部はあります。

走る野球児たち

坊主頭(丸刈り)の良し悪しは別として、憲法で守られている個人の意思決定権を無視した強制ではなく、子供たちが前向きにスポーツを楽しんで励むことができる環境づくりを、大人たちが心がけるようにしたいものです。

「ベテランママ」の運動新着記事

新着記事をもっと見る