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運動能力向上に最適な「コーディネーショントレーニング」。身体を自在にコントロールする必要な能力って?

「あの選手はセンスがいい」という表現は、一度ならず口にしたり耳にしたりする機会があるのではないでしょうか。このようにスポーツ選手に対して使われる「センス」というワード――これはつまり、「自分の身体を自分が思うように自在に動かすことができる」という意味。

しかしこのようなセンスを取得できるのは、ごく一部の才能ある人たちだけだと思い込んでいませんか? そこでご紹介したいのが、ここ数年、スポーツに関心のある方ならお聞きになったことがあるはずの「コーディネーショントレーニング」。

サッカーをするプレイヤーたち

ここで使われている「コーディネーション」とは、「運動(能力)の協調性」のこと。元々は旧ソ連の神経生理学者が運動能力についてまとめ、その考えが旧東ドイツで発展。

さらに欧米にひろがり、現在では(日本を含む)世界各国で「コーディネーショントレーニング」がアスリート養成に活用されています。

コーディネーショントレーニングにおける7つの能力

コーディネーショントレーニングで規定されている「コーディネーション」には、以下の7つの能力があります。

1.定位能力…人やモノとの位置関係をつかむ能力。動くモノ(ボールやバトンなど)や人(敵・味方など)の位置を瞬時に判断して、自らの動きを調整する。
※代表例:オニごっこ、新体操、ボール競技など

2.リズム能力…音楽や合図に合わせて動く能力。またイメージ通りのリズミカルな動きを行う能力。
※ダンス、集団演技、ボート競技など

3.バランス能力…不安定な状況下での全身のバランスをとる能力。
※格闘技系、スキー、スケート競技、水上競技など

4.変換能力…状況変化に俊敏に対応する能力。定位能力、反応能力と連携をとって行われる。状況変化を予測する能力も含む。
※ボール競技におけるフェイントなど

5.反応能力…合図などにすばやく反応し、適切な動きを正確に行う能力
※ボール競技、格闘技系など

6.連結能力…無駄なく筋肉や関節を動かし、なめらかな動きをする能力。
※格闘技系の受け身、フィギュアスケート、ボール競技など

7.識別能力…身体の動きを調整し、道具の扱いを正確に行う能力。
※テニスや野球など、道具を使った競技など

このようにコーディネーション能力は7つに分類されているものの、1つのスポーツに1つの能力のみ必要なのではありません。

サッカーの試合

たとえばサッカーの場合、ボールの動きを見て的確な場所に移動するのは「反応能力」、相手が蹴り出したボールの動きを予測しつつ、味方と敵の動き・位置を把握し、次にボールをどこに運べば良いのか判断するのは「定位能力」、うまくボールを操りながらディフェンス・オフェンスを行うのは「リズム、バランス、変換、連結、識別能力」の総合的結果と言えます。

コーディネーショントレーニングのメリット

以上7つの能力をポイントにしてトレーニングを行う(=「コーディネーショントレーニング」)ことで、新しい技術や高度なテクニックを学ぶ際に、より「短時間」でより「効果的」に習得することができるのです。

さらには、筋肉や神経の繋がりを向上させるため、総合的なパフォーマンス能力を高めることができます。

またバランス能力や反応能力が向上すれば、競技中での怪我を避けることができます。実際に、これらの能力が高い選手は、怪我が少ないとされています。

全世代が必要な運動能力のトレーニング

「トレーニング」と聞くと、プロアスリートなどの専門的な運動選手のみに必要なことのようにおもわれます。しかし実際には、このコーディネーショントレーニングは、運動能力が発達する時期の幼児や、運動能力が落ちていく高齢者の方々にもぜひ行って頂きたいモノなのです。

では例として、小さなお子さんから始められるトレーニング方法をご紹介します。

1.マリオネット

①両手を「上」「下」の順に上げ下げします。
②腕の動きと同時に、両足は「グー(閉じる)」「パー(開く)」の動きをします。
③リズムよくジャンプをしつつ、①②の動きを同時に行います。
④慣れてきたら、手の動きを変えたり、足の動きを変えたりしてみましょう。
※連結能力、リズム能力が鍛えられます。

2.しっぽ取りオニゴッコ

逃げる方がお尻にしっぽを付けたオニゴッコ。オニにしっぽを取られないように逃げましょう。
※定位能力、変換能力、リズム・バランス能力が鍛えられます。

3.後出しジャンケン

①1人が先にジャンケンの手を出し、もう1人はわざと後出しで「勝つ」または「負ける」ようにします。
②慣れてきたらスピードを上げたり、手ではなく足でジャンケンをしたりしましょう。
※反応能力、リズム能力が鍛えられます。

4.障害物ダッシュ

①低いハードルなどの障害物を置きます。
②障害物の上を跳んだり、ジグザグに避けたりしながら走りましょう。
※定位能力、変換能力、リズム能力が鍛えられます。

運動する幼児

現在、教育機関や介護施設などでも取り入れらつつあるコーディネーショントレーニング。本人のレベルや目標に合わせて組み合わせることができるため、運動能力の向上を目指す全世代の方に、ぜひチャレンジしていただきたいですね。

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