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成長痛の時にスポーツをすると身長が伸びなくなる?年齢別、成長期の骨端症の原因と対策

成長期の子供にとって、身長がどのくらい伸びるのかは非常に重要な問題のひとつです。

特にスポーツをしている子供の場合は、やはり同年代の子供と比べて成長速度が遅く体格が小さいことがコンプレックスとなり、精神的なストレスとなることは多々見られます。

そのため成長期に思うように身長が伸びず、将来的にも低身長のままでいる可能性は出来る限り避けたいと望むはずです。

サッカーのトレーニングイメージ

そこで心配の種となるのが「成長痛」――成長痛は「身長(骨)が伸びている過程で起こる痛み」のため、「骨が伸びている時期にスポーツをすると、何らかの弊害が起きて身長が伸びなくなる」という説が一般的に広まっています。

しかしこのように誠しやかに言われている「成長痛」「身長」「スポーツ」の関係は、事実なのでしょうか? そこで「成長痛の時にスポーツをすると身長が伸びなくなる」説について以下にまとめました。

成長痛は骨端軟骨に異常あり!?

まず、成長痛についてご説明します。「成長痛」という言葉を聞くと、どうしても「成長過程で身長が伸びるのに付随して起こる、骨とその周辺の痛み」というイメージが浮かびやすくなります。

また「成長期に身長が急激に伸びて、寝ている時に骨がギシギシ鳴った」という声も珍しくはないために、子供が脚の痛みを訴えても、「成長痛は身長が伸びている証拠だから」「成長痛があるほうが高身長になるから、今はしょうがない」と、あまり気にしない親御さんもいるようです。

しかし「成長痛」とはいわゆる俗称であり、身長が伸びている証ではありません。さらには、子供の骨にある軟骨部分(骨端軟骨)に弊害が起きている疾患の可能性が高いのです。このような子供の骨の疾患を総称して「骨端症」と呼びます。

では、身長が伸びている成長痛と片付けられがちな骨端症のうち、年齢別の代表的な症状を以下に説明します。

※一般的には骨端症を「成長痛」と呼ぶ方が多いため、ここでは「成長痛」と記します。

およそ10歳で起こる成長痛:シーバー病

10歳前後の子供、特にスポーツをしている男子に起こりやすいのが「かかとに生じる成長痛」です。これは「踵骨骨端症」(別名「シーバー病」)と呼ばれ、文字通り「かかとの骨=踵骨(しょうこつ)」の後ろ部分に、じわっと慢性的な痛みを感じます。

ひどい場合にはかかとを地面につけることが出来ないほどの痛みになることもあるため、子供がつま先歩きをしているようであれば、かなり痛みがひどいと判断します。

子供のかかとのレントゲン

子供の骨には軟骨部分がありますが、踵骨にも前部分と後ろ部分のあいだに軟骨が存在します。日常的に激しく跳んだり走ったりといった運動を繰り返していると、この軟骨部分が上部になるアキレス腱に上方向に引っ張られたり、足底腱膜(足裏にある)に前方に引っ張られるストレスが強くなります。

また地面からかかとへの衝撃も、激しい運動を繰り返していると蓄積されます。

このような張力・圧力を繰り返し受けていると、踵骨の軟骨部分に炎症が起こり、痛みとなって現れるのです。

続けてスポーツをしても「身長が伸びなくなる」ということはありませんが、歩行さえも困難なほどの痛みの場合はその原因となるスポーツは休止し、炎症を治す必要があります。また偏平足の可能性が高いため、靴に土踏まずを作るような中敷きを敷くなど、対処することをオススメします。

およそ11~15歳で起こる成長痛:オスグッド・シュラッター病

先述したシーバー病とは異なり、オスグッド・シュラッター病は「膝」に痛みが起こる成長痛です。

対象年齢は11~15歳頃の10代前半で、膝蓋骨(しつがいこつ、膝のお皿)の下部分にある脛骨粗面(けいこつそめん)が炎症を起こすことで痛みが発症します。

オズグッド病の正確な原因は厳密には解明されていません。しかし激しいスポーツを日常的に行う10代前半の男子に多く起こります。

発症する主な原因とされているのは、次の通りです。膝蓋骨は太腿の骨である「大腿骨(だいたいこつ)」の上に重なっています。そして膝蓋骨を通って、大腿四頭筋(太腿の前面の筋肉)は脛骨にまで達しています。

大腿四頭筋と脛骨が接するあたりは「膝蓋腱」(膝蓋靭帯)と呼ばれ、これと脛骨との接合部分が「脛骨粗面」になります。※脛骨粗面は骨が隆起した部分

ボールを蹴ったりジャンプをしたり、屈伸などの動きによって膝を伸ばす際、大腿四頭筋は膝蓋骨を越えて上方向に引っ張られます。つまり膝蓋腱も上向きに引っ張られるために、脛骨との接合部分である脛骨粗面にも激しい圧力が掛かることになります。

このように大腿四頭筋を引っ張る動きを何度も激しく行うと、まだ軟骨部分の残っている成長期の子供の骨の場合、炎症を越えて軟骨剥離が起こります。これがオスグッド・シュラッター病です。

オスグッド・シュラッター病になると、外見からも分かるほどこの剥離部分の骨がポコっと飛び出します。

しかしオスグッド・シュラッター病になったからといって、「身長が伸びなくなる」ということはありません。しかし痛みが引くまでのしばらくのあいだ、スポーツは休止し安静にする必要はあります。

※症状が重い場合には、整形外科にて手術することもあります。

年齢に関わらず起こる成長痛:むずむず病 (むずむず脚症候群)

成長期のみならず大人でも発症する「むずむず病」(むずむず脚症候群)――これは「脚に虫が這っているようなむず痒さ」「脚にヒリヒリするような痛さ」を感じる疾患であり、違和感のレベルも人によって様々です。

大人の場合は体内の鉄分量の減少が関係しています。鉄分は脳内物質「ドーパミン」の元物質を作る時に必要であり、かつドーパミンの受動体が正常に機能するためにも必要な物質です。

そのため鉄分が不足するとドーパミンの生成と受動に不具合が生じ、神経伝達がうまく機能しないために脚に違和感が生じるようになるのです。

しかし子供の場合は鉄分が不足していないにも関わらずむずむず病になることがあります。

この原因は現在のところ明確にはなっていません。しかし推測として、脳にまで十分な鉄分が届いていないために大人のむずむず病と同じくドーパミンの生成と受動に不具合が生じているのではないか、と言われています。

子供のむずむず病は遺伝的要素が強いと言われており、実際に親がむずむず病を発症していると子供も発症する確率が高いとされています。

もしも子供さんが脚の違和感を訴えているのなら、ご両親や血縁者にむずむず病の方がいるかどうかご確認ください。

身長の伸びには関係ないが、痛みがあるのなら

「身長が伸びているための成長痛だと思っていたら、軟骨部分の疾患だった」ということは、成長期の子供のいるご家庭ではよくあります。

そのため単なる成長痛だと思い込み、子供の痛みを放置するのは得策ではありません。「成長痛があるのにスポーツをし続けることで身長が伸びなくなる」ということはありませんが、やはり骨に異常がでていることに変わりはないからです。

膝のサポーター

これらの成長痛の対策として、テーピングやサポーターなどもあるため、軟骨周辺に痛みを感じた場合は無理をせずにかかりつけの小児科、もしくは整形外科にて診察を受けられることをオススメします。

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