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運動中の突き指、引っ張るのはダメ!?子供が突き指をした時の正しい処置・対処法

子供によく起こりやすいケガのひとつに「突き指」が挙げられるかと思います。ドッジボールやバレーボール、バスケットボールや野球、サッカーのゴールキーパーなど、主にボールを指先でキャッチしようとする動きや、地面に手をつく動作が多いスポーツをしていると、突き指になるリスクが高まります。

スポーツ各種のボール

一般的に「突き指をした時は引っ張れば良い」という民間療法的な対処法が長年広まっており、親御さん世代から現在の小学生にまで信じられている場合があります。しかしこの「突き指をしたら指を引っ張る」という処置は完全に誤りであり、反対に症状を悪化させることもある危険な行為です。

では突き指をした時はどのような対処法が正しいのでしょうか。ここでは突き指についてご説明した後、正しい突き指の処置方法をご紹介します。

そもそも突き指ってなに?

「突き指」とは、特定の医学的疾患名ではありません。指先に対し、まっすぐの縦方向(長軸方向)の力が外側からかかることで起こる外傷の総称です。

突き指の症状がひどい場合には、指の腱や靭帯が損傷(靭帯損傷、腱損傷)や脱臼となり、また骨にまで損傷を負った場合には「骨折」となります。

しかしここまでの症状ではない、通常の「突き指」と呼ばれるレベルでは、指の関節が内出血によって腫れ、傷みが伴う「捻挫」や「打撲」とされます。

突き指の処置に冷湿布は間違い?

冒頭でも触れたように、昔から「突き指をしたら指を引っ張って治す」民間療法が広まっています。しかし突き指は軽いレベルでも打撲症状であり、ひどい場合には骨折の恐れもあります。

もし軽度の突き指であったとしても、安易に指を引っ張れば、さらに炎症や脱臼を引き起こす可能性が高いため、決して行わないようにしましょう。

また、「指を引っ張る」の次に突き指の処置としてよく見られる「冷湿布を貼る」という方法ですが、これも応急処置ならば良いですが、最良の方法とは言えません。なぜなら冷湿布を貼っても、その鎮痛作用によって感じる痛みは軽減されるものの、打撲症状を治している訳ではないからです。

では突き指をしたら真っ先にどう処置をすればよいのか――それは「患部を冷やす、アイシングをする」対処法です。

冷湿布を使用する際の注意点

「突き指した箇所を冷やせばいいのなら、やっぱり冷湿布でいいんじゃないの?」という疑問を持たれた方もいるかもしれません。しかし冷湿布を使用する際には、以下の注意点があるのです。

冷湿布を貼ると、スーッとした冷たい感覚がするかと思います。実はこの冷えたような感覚は、冷湿布の基材に水分が多く、さらにメントールが配合されているからです。

メントールとはハッカに含まれる成分であり、アルコールの一種である有機化合物です。メントールに触れるとひんやりとした感覚が起きます。しかしこの冷感は実際に皮膚温度が下がっている訳ではなく、「冷たい」と感じる感覚受動体を刺激しているだけなのです。

この働きは、唐辛子に含まれるカプサイシンが「熱い」と(実際には皮膚温度が上がっているのではないが)感じさせるのと同じような作用です。

以上から、実際に突き指の患部を冷やすアイシング処置と冷湿布を貼って「冷たいと感じる」のとは、効果が異なるのです。

突き指の正しい対処法

ではどうして突き指をした時に患部を冷やすのが、正しい対処法なのでしょうか。

突き指をはじめ打撲などケガをしたらすぐに、とにかく氷や氷嚢、アイスパックなどで冷やすことが大切とされています。その理由は、患部を冷やすことで一時的に血管を収縮させ、外部・内部に関わらず出血を最小に留めることができるからです。

アイスパック

さらには、冷やすことで細胞の活動を抑えるために、さらに炎症が広がることを防ぐことができるからです。

また同時に、冷やすとその部分の痛覚が鈍くなります。つまり痛みを感じにくくなるため、脳が患部周辺の筋肉を過剰に緊張させないという作用があります。痛みがあるとつい力を入れすぎて、余計に炎症を広げてしまうことが避けられるのです。そのうえ痛み物質を出しにくくします。

以上のアイシング効果を狙うためには、肌表面だけを適当に数分冷やすのではなく、患部の奥までもしっかりと冷やすことが重要なのです。

正しいアイシング処置法

突き指をはじめとしたスポーツ障害の処置方法として有名な言葉に「RICE(ライス)処置」があります。

これは「Rest」(安静)、「Ice」(冷却)、「Compression」(固定=包帯やテーピングで指を固定する)、「Elevation」(挙上=内出血を防ぐために、心臓よりも上の位置に患部を持っていく)の4項目の頭文字を取っています。このなかの2番目の「Ice」(冷却)こそアイシングを指します。

【突き指時の氷を使ったアイシング処置法の注意点】
1.凍傷を避けるために、冷えすぎる氷の使用は避けましょう。使用する氷の目安は、「表面が少し濡れている」のかどうかです。

2.20分間、患部を冷やし続けましょう。
※感覚がなくなるまでです。ただし30分以上は、凍傷になる可能性があるため、やめましょう。

3.40分後に再度20分、冷やしましょう。これにより患部の治りが早くなり、炎症の広がりを抑えることができます。

以上の注意点を守って、しっかりと冷やしましょう。

突き指がひどい場合は専門医へ

突き指は頻度の高いケガのため、子供が突き指をしてもあまり深刻にとられない親御さんもいるかもしれません。しかしひどい場合には腱が断裂し、関節が伸ばせなくなったり、骨の位置がずれてしまったりすることもあります。

突き指の処置

そのため突き指をしてから1週間ほど経っても痛みがあり、治りが遅いと感じた場合は、すぐに整形外科などの専門医を受診することをオススメします。

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