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年々子供の運動離れが進んでいるってホント?現代社会に生きる子供の身体に起こる運動離れの弊害

現代の子供たちの成長や生活における問題点は色々と指摘されていますが、そのなかでも「運動離れ」についての話題は珍しくありません。最近では都市部を中心に、子供が外で遊び回れる環境が減ってしまい、公園などの公共の場では危険を回避するためにボール遊びが禁止になっています。

日本の公園の様子

運動を日常的にしている子供は、いわゆるスポーツクラブに所属し、習い事として特定の運動を行っています。そのためスポーツクラブに所属している子供としていない子供での運動量の格差は極端に開いているとも言われています。

では本当に子供の運動離れは進んでいるのでしょうか。また運動離れによって子供たちにどのような影響があるのでしょうか。

「三間の減少」と運動離れ

結論から言うと、やはり子供の運動離れは進んでいるとのこと。

文部科学省の報告によると、子供たちの体力は低下傾向にあります。考えられる原因はいくつかあるものの、やはり生活環境の変化により、幼少期からの運動離れが大きく関わっているとの見解が出されています。

生活環境の変化とは、まずは日本社会全体の発展により便利になった分、「歩く」などの日常的に基本的な運動をしなくなってきたことが挙げられます。つまり交通手段が発達すればするほど、自動車や交通機関などを利用するようになり、大人も含めて自分たちの足を使わなくなったのです。

さらには交通網の発展が子供たちの遊び場を奪い、運動離れを加速させました。道路で子供が遊ぶのは危険であり、同時に親世代が外遊びを「危険、不潔」などとネガティブに捉えるようにもなり、室内遊びを推奨するようになりました。

またテレビやパソコン、ゲーム、スマートフォンなどの電子器機による娯楽が増えたことも、当然ながら子供の運動離れの要因になっています。ただしこの現象もまた、上述した運動離れの原因と同じく、子供のみならず大人においても運動離れが日常的な状態になっている大きな要因と言えます。

少子化の問題も、子供の運動離れの一因に挙げられます。兄弟姉妹が少なく、周りにも子供が少なく、さらには塾や習い事などで子供同士が予定を合わせづらい環境では、当然ながら外遊びの機会が減り運動離れに繋がるのです。

以上の「仲間との運動機会の減少」「運動時間の減少」「遊びの空間の減少」は「三間の減少」と呼ばれ、問題視されています。

顔面・頭部のケガの増加

ではこのような子供の運動離れには、どのような弊害が起きるのでしょうか。

まず顕著なのは、「体力の低下」と「ケガの増加」です。日本スポーツ振興センターの資料によると、1970年から2004年まで、子供のケガの発生率は増加傾向にあり、骨折に絞って見てみても増加傾向にあるとのこと。

手首を骨折している子供

さらにはケガをした部位を見てみると、昔に比べて現代の子供は「顔面」「頭部」をケガする割合が高くなっています。

顔面や頭部をケガしやすくなっている原因として、転倒時に手を前に出して頭部へのダメージを避ける反射的な動きが自然に出にくくなっていたり、頭部へと物が飛んできた時などに避ける動きが出にくくなっている、といったように、いわゆる防御・回避動作を反射的にできない子供が増えていることが指摘されています。

反射行動と運動離れの関係

このような反射的な動作が出来るかどうかは、幼少期にどれだけ運動を行っていたかがカギになります。3歳から8歳の時期は「プレゴールデンエイジ」と呼ばれ、その初期段階の3歳の時点で脳の神経回路は約80%出来上がっています。

この神経回路は全身の運動能力を司っているため、この時点で外遊びにより身体を動かす経験値を上げておかなくては、年齢を重ねてからどれだけ運動をしても、とっさの場合の反射的な動きは出にくいのです。

頭部や顔面を負傷しやすいことは、極端にいえば命の危険にもつながります。そのため幼少期から運動離れを食い止め、大人が意識的に子供に運動をさせる時間を作ってあげることが、未来のケガから守ってあげることになると言っても過言ではないのです。

骨折と運動離れの関係

また先述したように骨折する子供の割合が増えているのも、運動離れと関係があります。

骨の強度である骨密度は、運動することで上がります。さらには日光を浴びると体内でビタミンDが生産されますが、このビタミンDは骨を作り出す際に必要な栄養素です。つまり運動離れによる運動量の減少と日光にあたる時間の減少が、子供の骨密度を低下させ、骨折しやすくしているのです。

幼少期から運動離れのために運動能力が低下している上に、骨密度までが減少していては、ちょっとしたアクシデントでもバランスを崩し、転倒して骨折してしまうのは当然のこと。単に「運動が苦手」ということだけの問題ではなく、後々大きなケガへと発展してしまう可能性もあるのです。

大人も子供も運動しよう!

運動離れは子供の肥満や糖尿病など、大人と同じような生活習慣病までも招くようになっているとの研究結果もあります。

芝生に寝転ぶ親子

たかが運動不足、と大人が軽視していては、子供の運動離れはますます加速してしまいます。子供が幼少期から運動を好きになるように、大人も一緒になって身体を動かす習慣をつけるようにすることを、子供が健康に育つためにもおすすめします。

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