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子供の身体能力、運動神経と遺伝の関係を、まとめて解説!

子育て中の親御さんはさまざまな面で、子供にどれだけ自分の遺伝子が受け継がれ、それが子供の能力にどのように影響を与えているのか、期待をしたり不安になったりすることと思います。そんな「遺伝問題」のなかでも、気になる方が多いのが「身体能力」と「運動神経」ではないでしょうか。

体操をする少女

たしかにオリンピック選手やプロスポーツ選手について考えると、彼らの両親や親戚もまた元一流スポーツ選手であったり、兄弟姉妹も同じく高レベルな競技者であったりするケースが頻繁に見られます。

そのような話を聞くと、スポーツに対して苦手意識がある親御さんは「やっぱり運動神経って遺伝なんだ」「親である私は運動音痴だから、我が子がスポーツ選手になんてなれるわけがない」「両親ともに運動が苦手だから、子供も運動に関しては諦めるしかないかな」などと、ネガティブな結論を急がれるかもしれません。

しかしそれは早まった考えの可能性もあるのです。そこで「子供の身体能力や運動神経の良し悪し」と「両親からの遺伝」の関係について、順を追って見て行きましょう。

身体能力と運動神経の違い

そもそも「身体能力」と「運動神経」の2語は、まったく別の事柄を指しています。まず身体能力とは、骨格や筋力、視力、聴力などの身体にもともと備わっている、身体の動きのベースとなる能力のこと。

それに反して「運動神経」とは、視覚などの五感から受け取る外部刺激などを元に脳が次の行動を判断して、各部位の筋肉に指令を出し、次のアクションを取らせるための一連の動きを伝える神経の総称です。
※「運動神経」という名称を持つ、特定のひとつの神経があるのではない。

簡単にまとめると、

●身体能力・・・「持って生まれた身体のつくり」を司っている
●運動神経・・・「経験による判断能力と身体の動き」を司っている

という違いがあるのです。

身体能力と遺伝

では「身体能力」と遺伝の関係について見ていきます。先述したように、身体能力はもともと身体に持って生まれた、運動機能に関する能力のことです。そのため良くも悪くも、ある程度の遺伝的要素があります。

たとえば一言で「筋肉」と呼んでいますが、実は筋肉には2種類のタイプが存在します。そしてそれら2種類の筋肉の比率は、人によって異なります。つまり、この筋肉の比率は遺伝的要素が強いのです。

遺伝で比率が変わる2種類の筋肉

1つ目は「速筋」。別名を「白筋」(白い色のため)と言い、瞬間的にパワーを出すときに使う筋肉です。ただし持久力はありません。そのため速筋が多い人は、比較的「パワー系」「瞬発系」のスポーツに向いています。

この速筋は鍛えると大きく太くなる性質があります。短距離走の選手や砲丸投げ選手、またボディビルダーなど、瞬発系・パワー系競技の選手の手足の筋肉が大きく盛り上がっているのは、この速筋が鍛えられているからなのです。

2つ目は「遅筋」。別名を「赤筋」(赤い色のため)と言い、瞬発的な力は出せないものの、持久力がある筋肉です。鍛えても、速筋と比べて大きくなることはありません。マラソンなどの長距離走選手が鍛えている筋肉は、大きく盛り上がるような速筋ではなく遅筋の方なのです。

マラソンをする人

これら「瞬発系」「持久系」の筋肉の比率、さらには速筋に存在するタンパク質を生成する遺伝子情報により、「瞬発系」「持久系」のどちらの運動に向いているのかが、変わってくると言われています。

ただし、この遺伝子情報だけで優れた競技者になるかどうかは決まりません。あくまで「向いている傾向がある」というレベルであり、絶対的な資質ではないのです。そのことは次の「運動神経」にてご説明します。

プレ・ゴールデンエイジの重要性

まず結論から言うと、運動神経は遺伝に左右されません。なぜなら「五感」「脳」「筋肉」をつなぐ神経は、乳幼児期から成長期に発達し、「ポストゴールデンエイジ」と呼ばれる、およそ12~14歳の時に完成するからです。

特に「プレ・ゴールデンエイジ」と呼ばれる5~8歳は、様々な運動をすることで(まだ自分自身でもコントロールできない)身体全体の基本動作の方法を覚えます。そのようにして、自分の身体を「どうすればどう動くのか」習得できた後、「ゴールデンエイジ」と呼ばれる9~11歳では、他人の動きを見てマネしたりすることで、技術向上を目指すことができるのです。

したがって、まずはプレ・ゴールデンエイジの時に「自分の身体の動きを自分の思うように動かすことができるようになる」ように、年齢にあった運動(=外遊び)をどれだけしているかが、その後の運動神経の良し悪しを決定づけるといっても過言ではありません。

一般的に大人は身体や筋肉の大きさから言えば、子供と比べて「身体能力」はあります。しかし瞬発力や柔軟性などを活用する「運動神経」は、子供のほうが良い場合は往々にしてあるように、運動神経は運動経験や訓練次第でどんどんと伸びていくのです。

遺伝と思い込まずに可能性を広げて

以上を踏まえて、冒頭にも書いたように「両親ともに運動が苦手だから、子供も運動神経がない(悪い)はず」「親の低い身体能力が遺伝するのなら、子供もたいした身体能力じゃないからスポーツは無理」という思い込みについて、話を戻します。

ラケットをもつ子供

たしかに筋肉の質などは、どうしても遺伝が関係してしまうこともありますが、これは子供時代の運動量やトレーニングで運動神経を高めて、カバーすることができるのです。

一流スポーツ選手たちが「一流」なのは、幼少期から運動神経を伸ばすための環境が整っていたうえに、本人がトレーニングに励んでいたからこそ。遺伝だけで子供の将来を決めつけるのではなく、子供が持つこれからの可能性を、できるだけ広げてあげてはいかがでしょうか。

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