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運動前のストレッチで注意すべきこととは!?静的ストレッチと動的ストレッチの違いと使い分け

学校の体育の時間や課外活動、スポーツクラブなどでよく言われる「準備運動(ウォーミングアップ)」。いきなり本格的な運動で身体の各部位を無理に動かす前に、ゆっくりとエンジンをかけるようなイメージではないでしょうか。

サッカー前のウォーミングアップ

そこで多くの方が個人的に運動をされる時は、筋肉や腱に負荷をかけないようにと、いわゆる「ストレッチ」をしてから運動を始められると思います。しかしこのストレッチ、身体に良いと思いきや、実は反対に本格的な運動前には不適切だという意見が、運動の専門家の間では存在するのです。

ではなぜ運動前にストレッチを行うことが問題となるのか、その理由をご説明します。

ストレッチには2種類ある

まず運動前のストレッチは、大きく分けて2種類あります――それが「静的」ストレッチと「動的」ストレッチです。

静的ストレッチとは、ゆっくりと筋肉を伸ばしていくストレッチのこと。硬い身体を柔らかくするために、一方向の一動作に対して、脱力しつつゆっくり行うようなストレッチを指します。たとえば「前屈」が静的ストレッチにあたります。

動的ストレッチとは、身体を大きく動かして反動をつけ、筋肉をほぐすストレッチのこと。「ラジオ体操第1」はまさに動的ストレッチです。

静的ストレッチと動的ストレッチ

では冒頭で述べたように、運動前にストレッチをしてはいけないとは、どういうことなのでしょうか。実はこの意見に当てはまるのは「静的ストレッチ」の方なのです。

というのも、静的ストレッチと動的ストレッチとでは、身体に与える性質・効果が異なるからです。簡単にその違いを挙げます。

【静的ストレッチ】
目的:リンパの流れを良くして老廃物を流す。筋肉を緩めて関節可動域を広げる。
動きの方向:一方向
効果:身体的・精神的にリラックスする(副交感神経が優位)。疲労回復。

【動的ストレッチ】
目的:関節を動かすことで筋肉の柔軟性を高めて、関節可動域を広げる。体温を上げる。
動きの方向:多方向
効果:ケガの予防。身体的・精神的にアクティブになる(交感神経が優位)。血行促進。

以上の効果を比較すると分かるように、静的ストレッチは心身ともにリラックスした状態へと導きます。そのため、いわゆる柔軟系の静的ストレッチは「運動後(クールダウン)」や「就寝前」に行うほうが適しているのです。

動的ストレッチイメージ

反して動的ストレッチは、本番の運動前に行うべき、ウォーミングアップに適したストレッチです。次に、動的ストレッチを運動前に行うメリットについてご説明します。

内臓負担の軽減

先述したように動的ストレッチとは「ラジオ体操第1」や、サッカーの試合前に行われる「ブラジル体操」を例とする、大きく身体を動かすストレッチのこと。

ではなぜこのような動的ストレッチによる準備運動をしなくてはいけないのでしょうか? その答えは、国際サッカー連盟FIFA傘下の組織が推奨する「The11+(イレブンプラス)」という「ケガ予防」のためのプログラムに、この動的ストレッチの方法が紹介されていることからも分かります。

まず、なにも運動をしていない状態から突然激しい運動をすると、当然ながら心拍数・血圧が急上昇し、呼吸にも激しい変化が起きます。これらの急激な変化は内臓に負担をかけるため、積み重なると多大なダメージとなってしまう可能性があるのです。

そのため急激な身体の変化を避けるために、動的ストレッチによるウォーミングアップで徐々に心拍数や血圧を上げていくことが重要になります。また交感神経が優位になるため、身体的な面と合わせて精神的にも「やる気」が上がり、次のパフォーマンスへの勢いがつきます。

筋肉・靭帯への負担軽減

準備運動を行わないことは内臓への負担とともに、筋肉や靭帯に負担をかける可能性があります。

しかし事前に動的ストレッチで関節を動かし身体を温めておけば、付随して筋肉や靭帯に柔軟性が加わります。するとその後の本番の運動にて激しく身体をねじったり筋肉を伸縮させたとしても、(準備運動なしと比べて)筋肉などを損傷するリスクが軽減するのです。

また身体の各部位が柔軟に動くようになっているため、本番の運動においてパフォーマンス力が上がるメリットもあります。

静的ストレッチと合わせて

ここまで見ると、「(動的ストレッチと異なり)静的ストレッチはリラックス系の動きのため、運動前にはしてはいけない」という情報が、イメージとして残っているかと思います。しかし専門家によってはそうではなく、「運動前の静的ストレッチの有効性」についての意見も存在します。

その場合は、まず静的ストレッチで筋肉を柔軟にしてから、動的ストレッチで可動域をさらに広げ、心身のパフォーマンス力を上げていくのが理想的な準備運動だと言われています。

しかしもしも準備運動にそれほどの時間をさけない場合は、静的ストレッチは行わずに「動的ストレッチのみ」を行うことが推奨されています。

運動後は静的ストレッチを

最後に、運動後は「静的ストレッチ」を行いましょう。というのも激しい運動後、筋肉は硬くなって縮んでしまっているからです。

静的ストレッチイメージ

硬くなった筋肉を柔軟にして伸ばすために、運動後はしっかりと静的ストレッチをして身体の負荷を軽減させ、次回の運動へとつなげていきましょう。

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