運動神経を良くする、3歳からのトレーニング方法
「運動神経が良くない」「運動オンチ」――これらの言葉を子どもの頃から言われたり、自己判断して劣等感をずっと抱いている親御さん、いらっしゃいませんか。かく言う私がその1人です。
そのため我が子を見る度に、「この子には運動ができなくて悔しい思いをさせたくない!」と思うものの、「運動能力もどうせ遺伝だから……」と半ば諦めかけたことも。

しかし調べれば調べるほど、遺伝に関係なく、子供の運動能力は伸ばすことができることが判明しました! そこでここでは「3歳」というキーワードを元に、「運動神経バツグン」になれるトレーニング方法をご紹介します。
プレ・ゴールデンエイジとは
「プレ・ゴールデンエイジ」という言葉をご存じですか。これは約3歳から8歳の年代を指し、「ゴールデンエイジ」と言われる約9歳から11歳の前段階(プレ)であることを意味します。
「プレ・ゴールデンエイジ」の年代の子供は、脳の神経回路が8割ほど形成されており、運動能力に関わる神経が急速に発達する時期でもあります。
ただし、一般的によく言われる「運動神経」という神経自体は存在しません。ではこの言葉を詳しく言い換えるならば、どのようなモノだと思われますか。答えは「脳で考えたことを、そのまま身体で実行できる能力」なのです。
いわゆる「運動神経がない」運動が苦手な人は、幼い頃に身体を動かした経験が少ないために、十分に運動に関する神経が発達しておらず、さらには小脳に運動時の記憶が溜まっていないために「無意識に脳からの指令を受けて身体をその通りに動かす」ことが出来ません。
3歳から8歳の時期は小脳が発達する期間でもあるため、やはりこの「プレ・ゴールデンエイジ」に適切なトレーニングを行うことが、9才以降の運動能力の発達に大きな差を作る、と言えますね。
外遊びで全身運動を
では実際に、どのようなトレーニングをさせれば良いのでしょうか。
プレ・ゴールデンエイジでは、多くの「基本的な運動動作」を経験させて、「脳の指令通りに身体が動く」経路を発達させる必要があります。
そのため、特定のスポーツのみではなく、幅広く遊ぶことで全身を動かし、経験値を高めることが優先されます。
具体的には、ブランコや鉄棒、砂場遊び、ボール投げやかけっこなど、一見シンプルに思われる外遊びを多くすることがオススメ。外遊びをすることで外界からの刺激を受けつつ、「こうすればこうなる」という身体の動きの記憶を蓄積させていくことができます。
室内での簡単トレーニング方法
お家の中でも、もちろん運動神経を高めるトレーニング方法がありますよ。ご家族みんなで楽しく遊びながら、トレーニングしましょう!
トレーニング1:風船あそび
ふわふわと漂う風船を叩き拾う動きは、物体と自分との距離感を養い、また落ちてくるモノに反応するため、「反射神経」を発達させます。
1人でも出来ますが、ご家族が相手になって打ち合いをすれば、余計に楽しくなりますね。
トレーニング2:ボール入れ
ゴミ箱などの入れものに、紙を丸めたボールを投げ入れるトレーニング。距離感覚が鍛えられます。
入れものを近づけたり遠ざけたり、また入れものの大きさを小さくして入りにくくしてみたり、変化をつけることで「考える力」も向上させましょう。
トレーニング3:お布団登り
布団やクッションなど、やわらかいモノを使って山を作ってあげましょう。その上をよじ登ったり歩いたり、時にはすべったりすることで、全身の感覚を養います。マットの上で前転をするのもオススメです。
※お子さんが危なくないように、ご注意下さい。
楽しく運動を
運動能力向上に大注目な「プレ・ゴールデンエイジ」。ただしどんな運動でも、まずはお子さん本人が「楽しく」やれることを優先してください。

この時期に特定のスポーツだけを強制的にさせると、バランス感覚が養われないどころか、「運動なんて嫌い、やりたくない!」なんてメンタル面でも逆効果に。外でもお家でも、親御さんといっしょになって遊びながら成長していければ良いですね。