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脳が必要としている栄養素って?不足するとどんな障害が起きるの?

ここ数年、身体だけではなく「脳」の健康を維持、もしくは向上させるために、一般の方の間で「脳に効く栄養素」選びが注目されています。

脳の模型とサプリメント

実際に私の周りでも、お子さんの学習能力向上を目的としている他にも、おじいちゃん・おばあちゃんがいつまでも元気で過ごすため、また働き盛りの自分自身のために、多くの親御さんが脳に関する栄養素を、効率よくサプリメントで補っているとよく耳にします。

しかし漠然と「脳に良い栄養素」と言われても、どのような栄養素が脳にどのような機能を果たすのか、分からないまま飲みたくはないですよね? そこで脳に関する栄養素についての調べを、以下にまとめました。

脳のエネルギー消費量は?

まず人間の脳の重量は、体重の約2%と言われています。しかしそのエネルギー消費量は(驚くべきことに)通常で全体の消費量の約20%、活動している時には約25%にも及ぶのです。

というのも人類は進化するにつれて、成果の出やすい狩猟方法を開発するなどし、栄養・エネルギーを摂取しやすくなったから。そのため、以前よりも多く摂取した食物エネルギーを脳に回すことで、さらに脳を大きくして進化する、という循環を繰り返し、今に至ったとのこと。

しかし逆を言えば、十分な量の栄養・エネルギーを上手く脳に届けなければ、すぐ脳機能が衰えてしまうとも言えるのです。

脳の唯一のエネルギー源はブドウ糖

身体の3大栄養素は「炭水化物・たんぱく質・脂質」ということは、よく耳にするかと思います。これらは身体の各臓器を十分に働かせるために必要なエネルギー源。ですが、実は脳だけは、これら3大栄養素ではなく「ブドウ糖」のみをエネルギー源とします。

脳が活動するために消費するブドウ糖量は、1時間におよそ5g。この脳が必要とするブドウ糖は、肝臓に貯蔵されているグリコーゲンがブドウ糖となって消費されます。しかし肝臓には60gしかグリコーゲンを貯蔵することができないのです。

そのためもしもブドウ糖を補給しなければ、およそ12時間で脳のエネルギー源であるブドウ糖は体内から切れてしまいます。
※睡眠中も脳は働いているため、ブドウ糖を消費しています。

「朝食を食べないと午前中のパフォーマンス力が低下する。学力が落ちる」というのは、脳のエネルギーとなるブドウ糖が睡眠中に欠乏してしまうため、脳が正常に働かなくなるからなのです。

ファストリリースとスローリリースのブドウ糖

とはいえ、どのようなブドウ糖でもとりあえず摂取すれば良い、という訳ではありません。

ブドウ糖には「ファストリリース」「スローリリース」があり、ゆっくりと吸収される「スローリリース」のブドウ糖のほうが身体に負担をかけないため、健康的に脳のエネルギー補給ができるのです。

野菜各種

「スローリリース」のブドウ糖を摂取できる食べ物は、玄米、大豆・大豆製品、野菜類、きのこ類、海藻類、魚介類、鶏卵などです。反対に肥満になりやすい「ファストリリース」のブドウ糖が多いのは、白米や白パン、うどん、コーンフレークなど。

スローリリースばかりを気にしすぎる必要はないですが、一日の食事でバランスを考えて、スローリリースのブドウ糖を取り入れるようにしてみましょう。

代表的な脳の栄養素

では脳のエネルギー源であるブドウ糖以外に、脳機能を正常に働かせ、また脳の老化を改善または防ぐためにはどのような栄養素を与えれば良いのでしょうか。

1.ホスファチジルセリン(Phosphatidylserine / PS)

脳の働きを向上させる「ブレインフード」として注目されている「ホスファチジルセリン」。最近では受験生向けのサプリメントに配合されることが多く、一般的にもサプリの成分名として目にする機会が増えています。

「ホスファチジルセリン」とは、リン脂質の一種。脳の神経細胞の膜に含まれるリン脂質の「およそ1割」がホスファチジルセリンです。

ホスファチジルセリンは「脳を蘇生させる成分」「思考の養分」とも呼ばれるように、脳の老化を改善する作用があります。具体的には、脳の血流を促進し、脳細胞間の情報伝達を円滑に行う役目をします。

ホスファチジルセリンが不足すると脳機能が低下し、記憶・判断力が衰え、ひどい場合にはうつ病に陥ってしまいます。

アメリカ人研究者ライザー氏の研究報告によると、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の小児に4ヶ月間ホスファチジルセリンを投与したところ、それまで小児たちに見られた破壊行動を鎮静する効果があった、とのこと。ホスファチジルセリンが脳機能を上げることで、被験者の判断力や集中力を高めていることが見受けられます。

2.ドコサヘキサエン酸(Docosahexaenoic acid / DHA)

「DHA」の略語でよく知られている必須脂肪酸。人間の脳の多くを占める脂質のうち、約5%がこのDHAです。

さらには、記憶を司る脳の一部「海馬」には、他の脳部位の倍程度のDHA量が存在しており、学習能力や記憶力、知能指数に大きな影響を与えています。

たとえばDHAとアルツハイマー病(アルツハイマー型痴呆症)の関係においての1991年の研究報告では、「アルツハイマー病で死亡した人」と「別の病気で死亡した人」の海馬付近のリン脂質中のDHA含有量には差がありました(前者7.9%、後者16.9%)。

つまり「アルツハイマー病で死亡した人」のDHA含有量は通常よりも少ない結果が明らかになっているのです。

以上から、記憶力や学習能力などを司る脳機能を正常に保つには、DHAの存在が鍵であると言えます。

3.ビタミンB群(ビタミンB1、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸など)

ビタミンB群は、他の栄養素の代謝を促す酵素の働きを補助する機能があります。またビタミンB群それぞれにも、脳の神経細胞の働きを正常に保つ機能があります。

そのためビタミンB群が不足すると、脳に必要な栄養素の吸収が妨げられ、脳その他の細胞機能が衰えてしまい、集中力や記憶、学習能力の欠陥が見られるようになります。

脳が喜ぶ食生活を

ご紹介した上記3栄養素以外にも、GABA(「y-アミノ酪酸」の略語。主に脳の興奮を鎮め、リラックスをもたらす)やLカルニチン(脂肪酸活性化物質。アルツハイマー病改善に注目されており、「脳のアンチエイジング」効果が認められる)など、複数の「脳に効く栄養素」が存在します。

脳に良い様々な食材

ただしこれらの栄養素をサプリメントのみで補充し、偏りのある食事(ジャンクフードや油物など。もしくは極端なダイエット食)をしていては、脳が多大に必要とする栄養素やエネルギーを十分に摂取することは出来ませんよね。

脳を効率的に高機能で働かせるためには、なによりもバランスの良い食事が必要です。脳が喜ぶ栄養素を補助的にサプリメントで摂取して、健全に脳の働きをアップさせましょう。

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