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スマホを使いすぎると学力が低下する話は本当?スマホと上手に付き合って、学力低下を避けるために

現代社会において、もはや切っても切れない関係なのが「スマートフォン」(以下スマホ)。今や大人のみならず、小学生までもが自分自身のスマホを持っているケースもあり、高校生になれば持っているのが当たり前、というのが現状かもしれません。

スマホを見る子供

このようにスマホが生活必需品とまでなっている今、気になるのが「学力」への影響です。スマホが一般的に普及してからおよそ10年以上経ちますが、子供の学力への影響は親には未知数であり、なにかと不安になることも多いのではないでしょうか。

そこでこれまでに発表されている、スマホと子供の学力の関係についての研究報告を調べ、以下にまとめました。

スマホで子供が学力を失う?

2017年2月、スマホと子供の生活について述べたあるポスターに賛否両論が巻き起こりました。そのポスターには大きく「スマホの時間 わたしは何を失うか」と書かれており、スマホを使うことで減退する能力の項目として、以下6つが記載されています。

【スマホの時間 わたしは何を失うか】
1.睡眠時間(夜使うと睡眠不足になり、体内時計が狂います)
2.学力(スマホを使うとほど、学力が下がります)
3.脳機能(脳にもダメージが!!)
4.体力(体を動かさないと、骨も筋肉も育ちません)
5.視力(視力が落ちます)
6.コミュニケーション能力(人と直接話す時間が減ります)

このポスターは、「日本小児科医会」と「日本医師会」が共同で制作し、学校など教育現場に配布したものです。

このうち2番目の「学力(スマホを使うとほど、学力が下がります)」に関しては、特に同意・反論がインターネット上で多く上がったため、記憶にある方も少なくないかと思います。

学習時間とスマホ使用時間、学力の関係

では本当に学力とスマホは関連性があるのでしょうか。

学力低下とスマホの因果関係についての反論のなかには、「スマホが学力を下げるのではなく、スマホ(をはじめとした遊びツール)を使用することで『勉強時間が確保できないから』ではないのか」という指摘があります。

スマホを持つ女の子

たしかに2014年に実施された「携帯・スマホ使用時間と学力テストの平均正答率」にて、小学校・中学校ともに、スマホの使用時間が長いほどに「国語」「算数/数学」の正答率が減少している報告※からは、「スマホの使用時間が長いから学力が下がるのではなく、スマホによって勉強時間が削られているから回答できなかった」という見方もできます。

※一般社団法人 全国教育問題協議会HPより

しかし驚くべきことに2015年、仙台市教育委員会と東北大学が共同で行った「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト」により、「平日に通信アプリを使用すると、睡眠時間や学習時間に関係なく、スマホの使用時間に応じて学力が低下する」という研究結果が発表されたのです。

具体的には、「平日に勉強時間が30分未満」の子供のなかで、以下のような結果が出ました。

■スマホ(通信アプリ)利用なし・・・数学の平均点:61点
■スマホ(通信アプリ)利用が3時間以上・・・数学の平均点:50点以下

つまりは、「スマホその他で学習時間が削られるから、必然的に学力が下がる」のではなく、「勉強時間に関わらず、スマホで通信アプリを使用していると学力が下がる」と言えます。

さらには「平日30分未満の勉強時間」という点から、「学校での学習内容がスマホの通信アプリを使用することで脳に残らないのではないか」と考察できるのです。

前頭前野とスマホの関係

その上、さらに驚くべき研究結果があります。それは「平日に2時間以上の勉強時間を確保していて、スマホの使用時間が4時間以上の子供」と「平日に30分未満の勉強時間で、スマホを使用しない子供」とでは、問題の正答率が前者の方が低い、というものです。

つまり、勉強時間が長くてもスマホを長時間使用すると、その勉強成果が出ない(蓄積されない)ということです。この原因として(仮説段階ながら)指摘されているのが、「前頭葉への悪影響」です。

前頭葉とは、脳の前方部分を占める部分であり、その中でも「前頭前野」と呼ばれる額部分は、思考や意欲、創造力、状況把握、感情の抑制、計画実行力、判断力など、いわゆる人間らしい行動を起こすために必要な脳機能を担っています。

スマホ利用で学力が下がる原因の仮説として、スマホを使用している際に前頭前野への血流が減少し、脳機能が働かないようになっているのではないかと言われています。

そしてこのような前頭前野の活動低下が、スマホ利用をやめて学習に移ったとしても、すぐには元に戻らないために、学習の成果がでないのではないか、とも推測されています。

将来のために、スマホと上手に付き合おう!

このスマホと学力に関する研究は現在もされているため結論を急ぐことはできませんが、やはり「全く関係がない」とは言い切れないことがお分かり頂けたかと思います。

特に通信アプリの場合、「はやく返信しないと仲間はずれにされる」「話題についていけなくなる」など、周囲との関係を気にするあまり依存症になりやすく、学習時間であっても集中力が削がれるなどの弊害も充分に考えられます。

勉強中にスマホを触る子供

学習時間の合間に適度な息抜きとして数分だけスマホを使用するなど、スマホ使用の最初の段階で明確なルール付けを子供にすることは、子供の将来のためにも重要です。

親御さん含めてスマホ依存症にならないように注意することが、便利なツールに振り回されやすい現代社会においては必要なのではないでしょうか。

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