勉強

3歳までの育児環境が、将来の学習能力に関係するって本当?

妊娠中や出産直後から、「できるだけ子供の成長に良いことをしてあげたい!」と思う親御さんは多いかと思います。

確かに「三つ子の魂、百まで」なんて言葉があるように、小さい時期に経験したことが後々の人生にまで響いてくるかも……、となんとなく想像されているかもしれません。

花冠をつける少女

実はこの「三つ子の魂、百まで」ということわざ、あながち迷信ではないのです。というのも、人間の脳の成長には「3歳」というキーワードが!

では生まれたての赤ちゃんの脳がどのように発達するのか、詳しく見ていきましょう。

3歳までに約8割?!

生まれたての「新生児」の脳は約320g、3歳では約1,260g、成人で約1,450g。つまり0歳から3歳の間に、脳は80~90%の成長を遂げます。

この「成長」とは、単に大きさ・重さだけの成長ではありません。なんと機能としての発達も、比例して3歳までに約8割決まってしまうのです!

新生児の脳は、すでに大人の脳と同じ数の神経細胞(=ニューロン)を持っています。つまり、ニューロンは減ることはあっても、増えることは決してありません。

そして生まれてすぐにニューロンは、様々な外部刺激により(ニューロン同士をつなぐ)神経回路を増やします。この神経回路の繋ぎ目を「シナプス」と呼びます。

このシナプスは、外界からの刺激(あくまで子供が「楽しむ」もの)を多く受け、経験を積むことで増殖し、さらに太くしっかりとしたものに成長します。

シナプスがしっかりと成長するほど、いわゆる「頭の回転が早い」優秀な脳になります。

このシナプスの増殖と成長こそ、「3歳までに成人の約8割」という急激なスピードで行われることなのです。ちなみに6歳までに約9割の成長が終わると言われています。

「心の知能指数」EQと「知能指数」IQの関係

脳には「前頭前野」(おでこ側にある「前頭葉」の前部分)という、感情と思考に関わる部位があります。ここの発達具合によって、人は他者や物事に対して感情を抱き、思考し、それらに沿った行動をおこします。言い換えれば、前頭前野の発達によって人は「人格を形成していく」と言えます。

「学習能力と人格って、関係ないんじゃない?」と思われる方も、いらっしゃるかもしれません。しかしこの前頭前野の発達が未熟な場合、「心の知能指数」とも言われる「EQ(Emotionally Intelligence Quotient)」が低いことになります。

EQが低い子供は前向きな思考や行動を取れず、他者の感情や物事の流れ(原因と結果)を順を追って理解することが難しいため、後々の学習能力にも差が出てきてしまうのです。

小学生の男女

そしてこのEQ、つまり前頭前野の発達もまた、「3歳」までに大きな差が! さらにEQが未発達の場合、物事を推察することが困難なためにIQ(知能指数)までも低いことに。つまり、IQもまた「遺伝」ではなく、「3歳までの育児環境」に依っているのです。

※ちなみにこの前頭前野の働きは、およそ20歳まで発達し、20歳をピークに低下していく、と言われています。前頭前野の働きが鈍くなり、いわゆる老化すると、「意欲減退」「創造力の低下」「感情の起伏が激しくなる」といった特徴が目立つようになります。

赤ちゃんが覚えるべき「正しい生活リズム」

3歳までに大きく決まる脳の発達。子どもが喜ぶ経験を多く積ませることが、成人後の能力にまで関係するなんて、驚くばかりですね。

しかしここで1つ、ご忠告が。赤ちゃんの脳の発達に一番大事なのは、「規則正しい生活」なんですよ。というのも、陽の光をあびてセロトニンを働かせることで、3歳までに大脳の基本的回路が作られるからです。

生後2か月を過ぎたあたりから、それまで昼夜問わずの睡眠と起床だった赤ちゃんも、朝と夜のリズムに合うようになってきます。その後生後4か月を過ぎると、日中は起きて過ごす時間が増えます。

このタイミングで赤ちゃんの脳に「朝は起きる時間、夜が寝る時間」と染みこませるために、大人がきちんとした朝の時間に起きて子供に朝日を浴びせ、正しい生活リズムを覚えさせないといけないのです。

もしもこの赤ちゃんの時期に「朝、夜」のリズムが脳に定着しなかった場合、脳機能が不完全なためにのちのち様々な弊害が現れます。

たとえば、授業中にじっと座っていることができなかったり、些細な事で癇癪を起こしたり、暴力的な行動にでてしまうこともあります。これらの行動は、3歳までに適切なセロトニン量を分泌させ働かせていなかったがために、感情をコントロールしたり状況を把握するなどの判断力が鈍くなっているのです。

3歳までの育児環境が勝負!

3歳までに8割もの発達をみせる脳――しかし乳幼児期に高度な学習を行う必要はまったくありません。

毛布に横になる赤ちゃん

まずは3歳までに「正しい睡眠と覚醒のリズム」を徐々に脳と身体に覚えこませ、脳を安定的に発達させることこそが、将来的に社会性や理解力の高い人間へと成長する土台づくりとなるのです。

ついつい夜更かししてしまう現代人の生活ですが、身近な大人が規則正しい生活を送ることこそが、子供たちの脳の発達、ひいては将来の学習能力の向上のカギとも言えるのです。3歳までに色々な刺激を与えて成長できるように、限られた時間内で出来る限りのことをしてあげたいものですね。

この記事の執筆者

朝井 裕子

小学生から中学生の3人の子供(息子2人、娘1人)を育てている専業主婦。
以前は看護師だったこともあり、子供の成長に関するあらゆる分野に興味津々。
子供の成長・学習・学校に関する情報やノウハウを伝えていきます!

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