勉強のしすぎは視力が下がるって本当?視力低下の原因と注意点、眼精疲労のオススメ解消法!
毎日朝から夜遅くまで学校や塾の試験勉強や受験勉強に励む子供たち。ある程度の年齢になれば、勉強に根を詰める姿も当たり前になっているかと思います。勉強をたくさんしてくれるのは親としては喜ばしいことですが、それにともなって子供の視力が下がっている……なんてことはないですか?

たしかに勉強をよくしている(頭の良い?)子供は視力が悪く、メガネをしているイメージもあるほど、「勉強のしすぎ=視力が低下する」と思われがち。ですが勉強をたくさんしていても、視力が下がっていない人も実際には多くいます。
そこでなぜ「勉強をしすぎると視力が低下する」と言われているのか、また視力低下を抑えるにはどうすれば良いのかについてまとめました。
勉強しすぎると視力が下がるのは本当?
結論から言うと、「勉強をしすぎると視力が低下する」可能性は高まります。ではなぜ勉強によって視力が悪くなってしまうのでしょうか。
厳密に言うと、「勉強」のみが視力低下の要因というワケではありません。実は視力低下を引き起こす要因には「視点の近さ」が関係しているのです。
眼球のなかには「水晶体」という、カメラのレンズのような働きをする部分があります。この水晶体は厚みを変化させることで焦点(ピント)を合わせ、物をはっきりと見ようとします。
しかしこの水晶体は、自らの力で厚みを伸縮させる機能はありません。水晶体を両端から支えている、筋肉の一種である「毛様体筋」が水晶体を引っ張ったりゆるめたりすることで、水晶体の厚みに変化を付けているのです。
近くを見る時・・・毛様体筋は緊張した状態。水晶体は厚くなる。
遠くを見る時・・・毛様体筋はゆるんだ状態。水晶体は薄くなる。
勉強中の眼球内って?
では勉強をしている時、眼球内はどのような状態になっているでしょうか。
勉強作業をしている時、多くの場合は手元のノートや教科書、参考書を見ていることと思います。同様にパソコン作業においても、ほぼ眼前のパソコン画面のみを見つめているのではないでしょうか。
そのような近くばかりを見つめている時間が多いと、水晶体を厚くしてピントを合わせるために、毛様体筋は長時間緊張した状態を保たなくてはならなくなります。先述したように毛様体筋は「筋肉」です。そのため同じ緊張状態をキープしていると「筋肉疲労」を起こしてしまうのです。

■Ciliary Body:毛様体筋+毛様体突起 ■Lens:水晶体
■Iris:虹彩 ■Pupil:瞳孔
そのような筋肉疲労が習慣になると、やがて毛様体筋が司るピント調節機能が適切に働かなくなってしまいます。そして徐々に視力が低下してしまいます。
以上から、「勉強(を含む、パソコン作業や読書など『近くをみる作業』)をしすぎると視力が下がる」という結果になるのです。
暗い場所で勉強しちゃいけないの?
では視力低下の原因としてよく言われるもうひとつの説「暗いところで読書をすると視力が下がる」は、本当でしょうか。
この説もある意味では本当です。というのも、暗い場所で(本の字のような小さな対象物でなくとも)物を見ようとする場合、目は光を取り込もうとします。その際、目の中央部分にある「瞳孔」が開きます。
この「瞳孔が開く」とは、正確にはその周りの「虹彩が縮む」現象を指しています。虹彩とは、黒や茶色、青色などの瞳の色を表している部分です。反対に明るすぎる場所では、「虹彩が緩む」ため、必然的に「瞳孔が小さくなる」のです。
暗い場所で物を見る時、虹彩は縮み、瞳孔を開かせます。その状態で読書などをすると、当然ながら虹彩は縮んだままのため緊張状態となります。すると視点が合いにくくなるため、ピント調節をしようと毛様体筋が働きます。すると毛様体筋にも負荷がかかり、結果として視力低下を招いてしまいます。
さらには暗い場所で小さな文字を見るためには、通常以上に顔を対象物に近づけた姿勢になってしまいます。すると先述したように、毛様体筋が筋肉疲労を起こして視力を悪くしてしまうのです。
また最近では、暗い場所でスマホや携帯ゲームなど、光を発する物を見る傾向にあります。しかしこの行為は、光を感知して働く虹彩、瞳孔、またピント調節をする毛様体筋や水晶体に多大な負荷をかけてしまうため、眼精疲労を招き、やはり視力が低下するリスクとなります。
勉強による視力低下を避けるために
しかし視力が低下するかもしれないからと言って、子供が勉強をしないワケにはいきませんよね。そこで勉強中に行って欲しい、視力低下を回避するための方法を挙げます。
まずは勉強の合間に、遠くを見る習慣をつけましょう。よく言われている間隔としては、「1時間に10~15分」。この10~15分の間、目の奥の筋肉「毛様体筋」をゆるませるために、できるだけ遠くの景色を見るように心がけてください。

当然ながらこの休息時間中にパソコンやスマホ、ゲーム、読書など、近くを見て目を酷使する作業はしないようにしましょう。
また目の体操として、「5秒キツく目をつぶり、パッと目を開ける」というモノもオススメです。目回りの血行をよくすることで目の毛細血管に酸素を取り入れ、疲労を回復させる効果があります。また同じく顔の血行を良くするためにも、姿勢を正して、猫背にならないように気をつけましょう。